特集 1 なるほど! 健康レポート

今から始めたい、
元気な歩みのためのロコモ対策

出かけるのが億劫になっていませんか?

冬は寒さのせいで外に出かける機会も少なくなり、運動不足になりがちですね。体をあまり動かさない生活を長い間続けていると、おなかまわりがポッコリして、健康診断で「メタボ」と指摘※1されてしまうことも。でも、気になるのはそれだけではありません。次第に足腰が衰えて、いつの間にか「ロコモ」につながってしまう可能性もあります。

ロコモとは、「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」の通称で、筋肉や骨、関節といった運動器の障害により、歩行や日常生活に何らかの支障をきたしている状態のこと。日本でのロコモの予備軍は4700万人ともいわれています。また、要支援・要介護になる原因のトップ※2がロコモであることも、あまり知られていないようです。

※1

特定健康診査によって、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と診断されること。

※2

厚生労働省 2016年 国民生活基礎調査より(運動器の障害:骨折転倒・関節疾患・脊髄損傷の合計)

すくできる! ロコモチェック

それでは、ロコモかどうかがわかる簡単なチェックをご紹介しましょう。

立ち上がりテスト

【1】

高さ40cmの台を用意し、両腕を組んで腰かけます。

【2】

両脚は肩幅くらいに広げ、床に対して70度くらいになるように曲げます。

【3】

左右どちらかの脚を上げて、反動をつけずに立ち上がり、そのまま3秒保持します。

注意すること

無理をしないよう、気をつけましょう。

テスト中、膝に痛みが起きそうな場合は中止してください。

反動をつけると、後方に転倒する恐れがあります。

いかがでしたか? うまく立ち上がれなかったり、体がぐらついたりした方もいらっしゃるのではないでしょうか。どちらか一方の片脚で立ち上がれない場合は、ロコモの始まりである“ロコモ度1”に該当します。筋力やバランスが落ち始めてきている状態です。ロコモ予防のためのトレーニングや、食生活の改善をおすすめします。

ロコモを意識した運動や食生活を心がけましょう

いつまでも元気な足腰を保つために心がけたい、ロコモ対策のポイントをご紹介しましょう。

ロコモ予防のために筋肉を鍛える

通勤や外出のときは、背筋を伸ばして、地面をしっかりと足で蹴って歩くようにしましょう。また、少し歩幅を広げて歩くことで、足腰の筋肉がより鍛えられます。

電車での移動中など、立っているときは、つま先立ちをしたり、かかとを上げ下げしたりすることで、筋肉を適度に刺激できます。

エスカレーターは使わないで、階段を上りましょう。

ポイント

動作中は息を止めないようにします。

膝に負担がかかり過ぎないように、膝は90度以上曲げないようにします。

太ももの前や後ろの筋肉にしっかり力が入っているか、意識しながらゆっくり行いましょう。

支えが必要な人は、十分注意して、机に手をついて行います。