特集 1 なるほど! 健康レポート

肌本来のちからを引き出す、
保湿ケアのポイントとは?

乾燥に負けない肌をつくり出す、角層の役割に注目

空気が乾燥するこの時季は、肌のカサつきや肌荒れが気になりますね。乾燥が肌の健康の大敵であることはよく知られていますが、その理由はご存じでしょうか。

まず、肌の構造を見てみましょう。肌の組織は表皮と真皮という層によって構成されており、さらにその下には皮下組織があります。真皮はおよそ2mmの層をなす、皮膚の本体ともいえる組織で、主にコラーゲン(たんぱく質の一種)という成分によって構成されています。そして、表皮は約0.2mmの薄い層で、その上をわずか0.02mmほどの角層がおおっています。

実は、この角層が健やかな肌を保つために重要な役割を担っているのです。角層の細胞内には「NMF(Natural Moisturizing Factor)」と呼ばれる天然の保湿(うるおい)成分があり、角層の細胞の間には「細胞間脂質」という成分があります。このNMFや細胞間脂質がバランスの良い状態にあると、肌のうるおいを保つとともに、外部刺激や異物などの侵入から体を守る“バリア機能”を発揮できるのです。

※図はイメージです

角層の細胞内にある「NMF」と、細胞と細胞の間にある「細胞間脂質」が、肌の健康やうるおいを保つ上で重要な働きをしています。

特に注目したいのが、天然の保湿成分であるNMFの半分以上がアミノ酸やアミノ酸からつくられる成分(PCA)で構成されているということ。ところが、このNMFは年齢とともに減少してしまいます。さらに、乾燥した空気にさらされたり、紫外線によるダメージを受けることで、角層からうるおい成分が失われがちに。すると、肌のバリア機能も低下して、カサつきやすくなったり、肌荒れなどを起こしやすくなるといわれています。

うるおいのある、健やかな肌を保つためのケアとは?

健やかでキメの細かい肌を目指すためにも、肌が適度な水分を保つことができるようにケアしましょう。

洗顔、そして洗顔後のケアのポイント

毎日、洗顔する際には、洗顔料(石鹸も含む)をよく泡立て、その泡で肌を包み込むようにして洗います。指で肌をこすると角層を傷つけてしまうので注意しましょう。

洗顔の後や入浴後は、タオルを優しく押し当ててすばやく肌表面の水気を吸い取るようにしましょう。このときも、タオルでゴシゴシとこすったりしないように気をつけます。

水気を取った後は、化粧水で肌の水分を補ってから、乳液やクリームを塗って保湿します。洗顔によって肌のアミノ酸が流れ出てしまうので、アミノ酸の配合されたクリームなどを使うのもよいでしょう。

洗顔のときや顔をタオルで拭くときなどは、肌をこすって角層を傷つけないように注意しましょう。

食事の栄養バランスや睡眠、適度な運動習慣も大切

健やかな肌を保つためには、バランスの良い食生活も大切。美肌のビタミンとも呼ばれるビタミンCのほか、各種ビタミンがバランス良く摂れるように、肉や魚、豆類に加えて、緑黄色野菜なども積極的に食べましょう。

日頃のストレスや不規則な生活、睡眠不足も肌の健康にとってはマイナス。ゆったりと入浴したり、十分な睡眠をとって疲れをとり、リラックスするように心がけましょう。

毎日適度な運動をすることで血行も良くなり、肌にも栄養が行きわたりやすくなって、肌の新陳代謝を促すことができます。