特集 1 なるほど! 健康レポート

寒い季節でも
しっかりと眠るために

冬はなぜ、寝つきや目覚めが悪くなる?

肌を刺すような寒気を感じる夜や、底冷えのするような寒い朝。これからの時期は、「寝つきが悪くなった」「目覚めが良くない」と思うことが増えるかもしれませんね。冬はなぜ、満足のいく睡眠を得ることが難しくなるのでしょうか?

その理由のひとつとして、太陽の光の影響があります。人は朝、太陽の光を浴びることで体内時計(体内に組み込まれた生体リズム)がリセットされ、体が覚醒します。ところが、冬は日の出が遅く、まだ薄暗い時間帯に起きなければいけないので、なかなかすっきりと目覚めることができないのです。

また、気温も睡眠の質と大きな関わりがあります。気温が低い朝は、朝起きるときに体温がうまく上がらず、目覚めが悪くなって活動的になりにくくなることも。さらに、寒い夜は手足の血管が収縮しやすくなり、特に“冷え”を感じやすい人は体が覚醒したまま、寝つきにくくなると考えられます。

気温が低い、起床時にはまだ薄暗いなど、冬の朝はすっきり目覚めることが難しい環境です。

寒い季節でも深い睡眠を得るためのポイント

質の高い睡眠をとるためには、寝入りばなに「深睡眠」と呼ばれる深い眠りを得ることが大切です。この「深睡眠」は、体の中心部の温度=深部体温が就寝のタイミングで下がっていくように体温をコントロールすることで得られやすくなります。ポイントは、就寝前に体温を上げておくこと。就寝前に体温を上げておくことで、就寝時にスーッと深部体温が下がっていき、ぐっすりと眠りにつけるのです。

お風呂に入らない日でも、寝る前に足湯に5~10分ほど浸かると、血行を促進して寝つきが良くなる効果が期待できます。

寝る前にリラックス効果のあるカモミールのハーブティーを飲むのもよいでしょう。カフェインを含むコーヒーや紅茶、緑茶は避けたいですね。

部屋の室温が低いままで、布団や毛布などの寝具だけを厚くしていませんか? 部屋が寒過ぎると交感神経が優位になり、寝つきが悪くなりがちに。冬の室温は16~19℃程度に保つのが適切でしょう。

寝間着やフリースなどを重ねて厚着していませんか? 就寝時の厚着は、自然な体温のコントロールを妨げてしまいます。腹巻やレッグウォーマーなどを上手に使って、厚着はしないようにしましょう。

電気毛布をずっと使い続けると、深部体温がうまく下がらないことも。就寝前に寝具を温めておき、就寝の際はスイッチを切るとよいでしょう。