特集 1 なるほど! 健康レポート

意外に知らない?
代謝アップのための心がけ

代謝とは何でしょう?

中年太りやおなかまわりのサイズが気になる方が、「代謝が下がったのかも?」と言うのを聞いたことはありませんか。ここでいう“代謝”とは、食事によって体内に摂り入れた栄養素(糖質や脂質など)をエネルギーに変える働きのこと。実は、代謝には主に3つの種類があることをご存じでしょうか。

私たちは日々の生活の中で、さまざまな活動によってエネルギーを消費しています。このうち、何もせず、じっとしているだけでも消費されるエネルギーのことを「基礎代謝」といいます。また、食事をすることで消費されるエネルギーは「食事誘発性熱産生」、体を動かすことで消費されるエネルギーは「身体活動による代謝」と呼ばれます。

※呼吸や心臓の活動、体温の維持など生命活動を維持するために消費される。

代謝が下がっていくのは、なぜ?

3種類の代謝の中でも、基礎代謝は年齢とともに下がっていくことがわかっています。その理由のひとつとして、筋肉や内臓など代謝が活発な組織・臓器の働きが衰えることが考えられます。特に、中年以降の運動不足や、リタイアしてから活動量が急に低下することなどにより、筋肉の量が減ってしまうことも大きく影響しています。

代謝をアップするためのポイント

「食べる量は変わらないのに、太りやすくなった」という場合は、エネルギーの消費量、つまり、代謝が以前より低下しているケースが多いようです。ところが、代謝によるエネルギー消費のうち、基礎代謝や食事誘発性熱産生を自分でコントロールすることは難しいといわれています。

そこで注目したいのが、身体活動による代謝です。このエネルギー代謝は、「運動」と「生活活動」の2つに大きく分けられます。運動とは、ウォーキングやエクササイズといった健康維持や体力アップのために行う活動のこと。一方の生活活動とは、日常生活を営む上で必要なあらゆる活動(労働や家事など)を指します。日頃から生活活動の時間を増やすことを意識すれば、無理なくエネルギーの消費量を増やすことができます。

家の中で気になっていた所の掃除や片付け、庭仕事なども生活活動のひとつ。体をよく動かすことでストレス解消の効果も期待できます。

食生活でも代謝アップをサポートする工夫を

さらに、食生活の面でも代謝アップの工夫を心がけたいですね。「若い頃より食事の量は減った」という方、ひょっとしてたんぱく質(アミノ酸)が豊富な肉や魚、大豆製品などを食べる量が減っていませんか。たんぱく質は、筋肉をつくるもとになる大切な栄養素のひとつ。いろいろな食材からたんぱく質を摂り入れ、バランスのよい食生活を目指しましょう。

また、唐辛子や生姜などの香辛料には、体を温めて代謝を促す働きがあるといわれています。次第に寒さがつのる時季ですが、これらの香辛料を使ったレシピを取り入れて、いきいき代謝アップの毎日を過ごしましょう!