脳を構成する成分と、大切な栄養素とは?
脳の約65%が脂質でできている!
脳は、水分を除くとおよそ65%が脂質、残りがたんぱく質などで構成されています。脳には神経細胞が集まっていて、その数は1000億を超えるそうです。そして、この神経細胞を包む膜(細胞膜)を作る材料も脂質です。1つ1つの神経細胞は八方にアンテナを伸ばしていて、そのアンテナの先端(シナプス)を介して情報のやり取りがなされます。
脂質の中でもオメガ3系脂肪酸であるDHAなどの良質な脂質をバランス良く摂ることで、細胞膜の柔軟性が高まり、神経ネットワークが形成されやすくなって、脳内の情報ネットワークが活性化します。このように、脂質は脳を構成する重要な栄養素といえます。オメガ3系脂肪酸は体内で生成することができないので、食事から上手に摂りたいですね。
脳の働きに大切な栄養素とは?
脳内の神経細胞が、他の神経細胞へ情報を伝達する際に使われるのが神経伝達物質です。神経伝達物質が十分に作られないと、情報の伝達がうまくいかず、体やこころの機能に問題を引き起こしてしまいます。神経伝達物質は主にアミノ酸や、アミノ酸由来の物質で構成されています。十分な神経伝達物質を生成するために、たんぱく質(アミノ酸)をバランス良く摂取しましょう。
神経細胞は、神経伝達物質を使って情報のやり取りをします。
さらに、こうした脳の働きに必要なのがエネルギー源です。脳のエネルギー源は、血液中にあるブドウ糖(糖質の一種)です。脳の重さは成人で1200~1600g。標準的な体型では体重の約2%にあたりますが、消費するエネルギーは体全体の20%にも及ぶといわれています。やはり、脳はかなりの働き者なんですね。健康的に脳にエネルギー補給するためにも、一日の始まりに炭水化物(糖質)を含んだ朝食をしっかり摂りたいですね。
栄養バランスの良い食事は脳の働きにも大切
このように、脳を構成し、そのエネルギー源となる栄養素は、脂質・たんぱく質(アミノ酸)・炭水化物(糖質)の三大栄養素と呼ばれるものです。また、これらの栄養素だけでなく、近年の研究によってビタミンやミネラルといった栄養素も脳の活動にさまざまな役割を果たしていることがわかっています。栄養バランスの良い食事は、脳の働きも含めた体全体の健康にとって大切なもの。いつまでも脳が元気に働けるように、日頃の食生活にもいっそう気を配りましょう。