筋力の衰えを予防するエクササイズで、基礎代謝をアップしましょう!

筋肉不足が招く肥満や脳の衰え

 基礎代謝は加齢によって低下します。さらに、運動不足などにより筋肉が衰えることで基礎代謝はますます低下していきます。こうして消費しきれなかったエネルギーは、脂肪として蓄積し、肥満の原因になってしまいます。
 肥満は心臓疾患など、さまざまな病気の原因になりますが、筋肉の衰えは認知症等、脳の衰えの原因になります。筋肉の中には、脳に指令を与える神経細胞がありますが、筋肉量が少なくなると、指令がうまくいかなくなるのです。
 秋に体調を崩したりするのが、夏の間の筋肉の衰えによることもあります。風邪などで2~3日寝込むと、起きたときにフラフラしますが、それは寝込んでいる間に足の筋肉が衰えているのが一因。筋肉が減ると、体のバランスを失うことにもなり、転倒もしやすくなります。
 ですから、日頃から筋肉を落とさないように心がけることが大切です。

下肢の筋肉運動で効率よく代謝をアップ

 基礎代謝を上げるには、体の中でも大きな筋肉を動かすほうが効率的です。そのためには太ももやふくらはぎ等、下肢の筋肉を使うエクササイズをおすすめします。
 むずかしいことはありません。例えば、テレビを見ながら足踏みをするだけでもかまいません。また、椅子から立ったり座ったりを繰り返すことも有効です。大切なのは“筋トレ”のつもりで、どの筋肉を動かしているのかを意識しながら行うことです。
 負荷を与えるエクササイズはより効果的ですので、片足立ちもいいでしょう。例えば体重50kgの人なら、普段は2本の足で25kgずつ支えているものが、片足に50kgの負荷がかかりますので、しっかり筋肉を鍛えることができますし、バランス感覚を保つためにも役立ちます。フラつくようなら、テーブル等に片手を軽く添えて行うようにしてください。
 太もも、特に前面の筋肉が鍛えられると、ひざへの負担も軽減します。

60歳からでも遅くない筋肉のトレーニング

 加齢によって代謝が落ちたり、筋肉量が低減したりするのは自然の摂理かもしれませんが、老化は自分次第で防ぐことができます。
 最初は1回しか、数秒しかできなくても、続けていくうちに回数も時間も伸びていきます。衰える一方だと思っていた筋肉量も、使うことで現状維持、やがてアップしていきます。若い人よりも最初のレベルは低いかもしれませんが、年齢に関係なく鍛えることで効果は現れてきます。逆に、若くても運動不足が積み重なれば、筋肉の老化は起こるのです。
 もちろん、運動するだけではダメです。筋肉をつくるために必要な栄養を摂り、睡眠をしっかりすることも大切です。運動(トレーニング)・栄養・睡眠の3本柱は、健康を維持するための基本です。
 ぜひ、下記にご紹介する室内でできる簡単な“筋肉アップエクササイズ”に取り組んでみてください。

「いきいき通信」vol.98より転載