健康寿命を延ばして、 いつまでも元気な毎日を!
健康寿命とは?
先ごろ、総務省が日本の高齢者(65歳以上)が3617万人(推計)で過去最多を更新したことを発表。総人口に占める割合も過去最高の28.7%となり、この数字は世界で最も高くなっています。また、女性では70歳以上の割合が初めて25%を超え、4人に1人が70歳以上となりました。いまや、日本は世界的に見ても類のない超高齢社会を迎えているといえるでしょう。
これまでも“長寿大国”として注目されてきた日本ですが、一方で大きな課題も抱えています。それが「健康寿命」の延伸です。健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のこと。具体的には、日常的・継続的な医療や介護のケアを必要とせず、自立した生活ができる期間を指します。
ここで、平均寿命と健康寿命の差を見てみましょう(下記のグラフを参照)。2016年の時点で男性が8.84年、女性が12.35年となっています。この期間は日常生活に何らかの制限があり、健康ではない状態であることを意味しますから、この差が少ないほど健康長寿が達成されているといえるでしょう。
健康寿命を延ばすことができれば、個人の「生活の質」の低下を防ぐとともに、国民全体の社会的負担(社会保障費など)を減らすことも期待できます。近年では、国や地方公共団体だけでなく、企業や各種団体も健康寿命を延ばすためのさまざまな取り組みを行っています。
生涯にわたって健康でいきいきとした生活が送れるよう、 健康寿命を延ばすことが大切です。
いつまでも元気な毎日を過ごすためのポイント
それでは、私たちがいつまでも元気な毎日を過ごすためには、どんなことを心がければいいのでしょうか。いくつかのポイントをご紹介しましょう。
バランスのよい食事を心がけましょう
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主食(米やパンなど、主に炭水化物)、主菜(魚・肉・大豆製品・卵など、主にたんぱく質質や脂質)、副菜(野菜、きのこ、海藻など、ビタミン・ミネラルや食物繊維)、そして乳製品や果物をバランスよく摂り入れましょう。
野菜は不足しがちな食材のひとつ。 毎日「プラス1皿の野菜」を心がけましょう。
塩分の摂り過ぎに注意しましょう。醤油やソースは料理の上にかけないで小皿にとってから浸ける、だしの風味を生かす、お酢やスパイスでの味付けを取り入れるといった工夫で、塩分を控えめにすることができます。
食べ過ぎは避け、腹八分目を心がけて。食事の際は、ひと口30回ほどを目安に、よくかんで食べましょう。よくかむことで胃や腸への負担が減るだけでなく、満腹中枢に働きかけ、食べ過ぎの予防にもなるといわれています。
適度な運動を続けましょう
健康維持のために、ストレッチや体操など適度な運動を毎日続けましょう。また、運動不足によって筋肉の量が減ると、代謝が低下したり、さまざまな病気の発症リスクが高まったりします。下半身の筋肉を鍛えるスクワットなど、適度な筋トレ(筋力トレーニング)もおすすめです。
下半身の筋肉を鍛えることは、 転倒や寝たきりなどの予防にもつながります。
人や社会とのつながりも大切にしましょう
年齢を重ねるにつれて、友人やまわりの人たちとのコミュニケーションが減っていくこともあります。近所の人たちと交流したり、同じ趣味を持つ者同士で集まったりするなど、人や社会とのつながりを保つことは、心身の健康を維持する上でも大切です。食事や会話、趣味などを一緒に楽しめる仲間を持ちましょう。