特集 1 なるほど! 健康レポート

健やかな歩みのために!
ロコモ対策の運動と栄養

40代から気をつけたい足腰の衰え

春らしい陽気に誘われて、どこかに出かけてみたくなる季節。でも、「長い時間歩くのがおっくうになった」「歩いているとき、足腰に違和感を覚える」ということはありませんか? 次第に足腰が衰えて、いつの間にか「ロコモ」につながってしまうかもしれません。

ロコモとは、「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」の略称。筋肉や骨、関節といった運動器の障害により、歩行や日常生活に何らかの支障をきたしている状態のことです。

その原因はさまざまですが、エレベーターの利用や自動車などでの移動が多く、自分の足で歩く機会が減ってしまうことや、運動習慣のない生活などが挙げられます。

また、やせ過ぎや肥満にもご注意を。やせ過ぎると、体を支える骨や筋肉が弱くなってしまいます。一方、肥満は腰やひざの関節に大きな負担をかけるので、ロコモの原因のひとつになります。

個人差はありますが、40代になって筋肉の衰えが顕著になり、ロコモの兆候が現れるケースもあるようです。

つまずきやすくなるのも、足腰の衰えのサインのひとつです。

将来の自立した生活のために、運動と栄養のケアを

ロコモ予防のためには、運動と栄養という2つの面からケアを続けることが大切です。将来の自立した生活のためにも、今できることから始めましょう。

こまめに体を動かしてロコモ予防

ロコモ対策の運動としては、特に下肢の骨や関節を支える筋肉を鍛えることが大切です。

朝起きたら、体の筋を伸ばすストレッチをしましょう。反動や勢いをつけず、ゆっくり行うのがコツです。体をスッキリと目覚めさせ、一日を活動的に過ごすスイッチを入れるのにも役立ちます。

通勤や買い物などで歩くときは、自然にスッと背すじを伸ばすように。かかとから着地し、つま先でしっかりと地面を蹴り出すようにして歩きましょう。

電車の中や、キッチンなどで立っているときは、つま先立ちをすることで適度に筋肉を刺激することができます。

駅やビルの中を移動するときは、エスカレーターを使わず、階段を上り下りしてみましょう。

日中、屋内にいるときも、ずっと座ったままにならないように。こまめに立ち上がって、少し歩いてみましょう。緊張を解いたり、気分転換できる効果もあります。

ロコモ対策は40代から。将来のためにも、今できるケアを心がけましょう。

筋肉をつくるたんぱく質と共に、プラスアルファの栄養素を

栄養バランスのとれた食事を基本として、筋肉をつくり、骨を丈夫にする栄養素も積極的に摂るようにしましょう。

筋肉のもとになるのがたんぱく質です。たんぱく質を、さまざまな食材(肉、魚、卵、大豆製品など)から摂り入れていきましょう

たんぱく質は骨の材料にもなります。さらに、丈夫な骨をつくるカルシウムを多く含む牛乳・乳製品、小魚、緑黄色野菜、海藻類、大豆製品などを摂りましょう。

筋肉の合成やカルシウムの吸収を促すビタミンD(サケ、しらすなどの魚やキノコ類)や、骨づくりを促すビタミンK(納豆や青菜など)も、あわせて摂るようにしましょう。