特集 1 なるほど! 健康レポート

心地よく深い眠りのために
残暑の時季に快眠を得るコツ

蒸し暑い日が続くと、体調管理が難しいですね。夏バテ気味という方も多いのではないでしょうか。夏バテの原因として考えられるのは、暑さからくる食欲不振と、それに伴う栄養バランスの偏り、室内外の温度差による自律神経の乱れ、発汗による体内の水分不足など。さらに、しっかりと眠れないことも原因のひとつでしょう。なぜ、夏は質の良い睡眠をとるのが難しいのでしょうか?

まず、夏は休暇やイベントがあり、夜ふかしなどのせいで生活リズムが乱れやすいことがあげられます。また、夏休みの間、朝寝や昼寝をする生活を続けた後、通常の生活リズムに戻るのに苦労した経験はないでしょうか。生活リズムが乱れると体内時計にズレが生じて、眠りにつく時間になっても眠くならないこともあります。朝は決まった時間に起きるなど、規則正しい生活を心がけましょう。

加えて、暑さのせいで体をあまり動かさなくなる(運動不足)ことも理由のひとつ。私たちの体は、日中を活動的に過ごすことで、夜に自然と眠くなる仕組みになっています。夏バテのせいで体のだるさを感じると、体を動かす時間もさらに短くなりがちに。毎日、ウォーキングやエクササイズなど適度な運動を続けるようにしましょう。

栄養バランスの偏りや運動不足は体を疲れやすくし、夏バテを招きやすくなります。

そして、もうひとつ大きなカギを握るのが体温の変化です。私たちの体は、夜になり、眠る前に体温が自然に下がることで眠りにつきやすくなり、深い眠りに入っていきます。ところが、夏は夜になっても室内の温度・湿度が高いままのことが多く、汗をかいても汗が蒸発しにくいので、体温調節がうまくいきません。そのため、寝つきが悪くなったり、深い眠りが得られにくくなるのです。

体が自然に体温調節できるようにするためのポイント

では、暑さが残る季節でも心地よく深い睡眠を得るためには、どんな工夫をすればいいのでしょうか。

エアコンの設定温度に気を配る

室温の目安は28℃以下。ただし、夏の室内(寝室)は夜になっても熱がこもっていることもあります。そんなときは、就寝の1時間前にエアコンを25℃に設定して寝室を冷やしておき、寝るときに26~28℃に変更しましょう。そうすれば、涼しい部屋でスーッと眠りに入ることができ、睡眠中に体を冷やしてしまうことも避けられます。

室内に微風の流れをつくる

扇風機やサーキュレーター(循環送風機)を天井に向けて首振りにすると、室内に微風の流れができ、より涼しく感じられます。エアコンを使用しているときも、この微風の流れを上手に利用しましょう。

室内に微風が流れるようにすると、体感温度が下がって涼しく感じられます。

寝具やパジャマを変える

夏は寝ている間に背中が蒸れやすいことも、快眠を妨げてしまう原因のひとつ。夏用の敷きパッドを使うのもよいでしょう。立体構造で熱を逃がすタイプ、触ったときにヒンヤリする接触冷感タイプなどがあります。

また、パジャマの素材を変えてみるのもおすすめ。生地に凹凸があって、肌にまとわりつかないサッカー素材を使用したものや、通気性の良いガーゼ生地のものなど、自分の好みに応じて選んでみましょう。

少し涼しくなったかなと思ったら、また夏の暑さがぶり返したりして、体にも負担の大きい時季です。心地よく眠れる環境を整えて、健やかな毎日を過ごしましょう。