エチケットとしても心がけたい においのケア
汗はにおう? におわない?
気温がぐんぐん上昇するこれからの季節は、汗をかきやすくなり、自分自身や他の人のにおいが気になることもありますね。よく「汗くさい」と言ったりしますが、そうしたにおいの原因は、いったい何でしょうか?
実は、汗そのものには、においがほとんどないといわれています。汗は皮膚にある汗腺から出てきますが、その汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があります。
全身にあるエクリン腺から出る汗は主に体温調節のためのもので、無色でサラサラしているのが特徴。しかし、汗が皮膚の表面の汚れやアカ、皮脂と混ざって、皮膚の上にある菌によって分解されることで、においが発生します。
もう一方のアポクリン腺はわきの下などの毛穴にあり、ここから出る汗は乳白色で、脂質やたんぱく質など、においのもとになる成分を多く含んでいます。アポクリン腺から出る汗がにおいの原因になるかどうかは、個人差が大きいといわれています。
また、こうしたにおいは、性別や年齢によっても変わってきます。例えば、20~30代は皮脂量が多くなるにつれて(特に男性の場合)、皮脂が酸化されて発生するにおいが増えてきます。そして、40代ごろから年齢とともに、加齢臭と呼ばれるにおいが発生しやすくなります。
さらに、日頃のストレスや疲労、飲酒・喫煙などの習慣も、汗に伴うにおいの発生の原因になると考えられています。
においのケアで心がけたいこと
それでは、こうしたにおいが発生しないようにするには、どのようなケアを心がければよいのでしょうか?
においのもとになる物質を残さない
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汗には体温調節という大切な働きがありますが、皮膚に残った汗をそのままにしておくと、汗に含まれる成分やアカが、皮膚に存在する細菌によって分解されて、嫌なにおいが発生します。吸収性の高いハンカチや小さいタオルなどで、こまめに汗をふき取るように心がけましょう。
下着や衣類はこまめに取り替えましょう。また、吸汗・速乾性の高いものを着用するのもひとつの方法です。
入浴時は石鹸やボディソープをよく泡立て、泡で皮膚の表面を包み込むようにして、汗や余分な皮脂をやさしく洗い落としましょう。特に、耳の後ろ、うなじなどは念入りに。皮膚をゴシゴシこすると、皮膚の保護に必要な皮脂まで落としてしまうので注意しましょう。
皮膚の汚れや汗、余分な皮脂は、きめ細かい泡に吸着されることで洗い流されていきます。
汗腺を鍛える
日頃から運動不足の方や、エアコンなど空調の整った場所にいる時間が多い方は、汗腺の機能が衰えている場合もあります。汗腺の機能が衰えると、においの原因になるドロドロした汗をかきやすくなります。
入浴の際は、シャワーだけでなく、湯船につかることで、汗腺の機能を活発にする効果が期待できます。
日頃からウォーキングなど、適度に汗をかく運動習慣を心がけましょう。