アミノ酸は、たんぱく質のもとです。
私たちがものを食べるのは、食物からたんぱく質をはじめさまざまな栄養素を摂るためです。中でもたんぱく質は、体の約20%をつくる大切な栄養素で、数十万から数百万ものアミノ酸が長い鎖のようにつながって作られています。
私たちの体をつくり、動かしているたんぱく質の種類は約10万種類といわれていますが、そのすべてはたった20種類のアミノ酸からできています。ヒトだけでなく、地球上すべての生物のたんぱく質も、ヒトと同じ20種類のアミノ酸からできているのです。
これは、生物が共通の祖先をもち、アミノ酸が地球上の生命が誕生するために不可欠だったことを意味しています。
2014年には、国立天文台の研究チームが、生命を構成するアミノ酸のもととなる物質が、星が誕生している近くの宇宙空間に存在しているのを発見したと発表がありました。宇宙空間にアミノ酸のもとが発見されたことで、地球以外の星にも生命が存在する期待が高まったということです。
食事で摂取したたんぱく質は胃や腸でアミノ酸に分解されて体の中に吸収されます。これを血液で全身に運んでから再びつなぎ合わせて、体に必要なたんぱく質をつくります。
つまり、アミノ酸はたんぱく質となって体をつくるだけでなく、体内で働く多くの酵素やホルモン、体を守る抗体、血液成分などを構成しているのです。
例えば赤ちゃんが母乳だけですくすく成長できるのは、母乳にはアミノ酸がバランスよく含まれており、そのバランスがとても理想的だからなのです。
アミノ酸は私たちが成長し、生きていくうえでなくてはならない〝いのちのもと〟。だから、体に大切なたんぱく質を構成しているアミノ酸をきちんと摂ることは、毎日の食事の重要なテーマです。
「いきいき通信」vol.101より転載