気温・湿度ともに高く、日差しの強い夏は、体への負担がとても大きい季節。特に、これからの時季は天気予報などで「熱中症にご注意ください」という呼びかけが日に日に増えていきます。この熱中症の大きな原因となるのが、“脱水状態”です。脱水状態を防ぐためには水分補給が欠かせませんが、ただ単に水を飲めばよいというわけではないようです。
喉の渇きを感じたときは、すでに体内の水分の量が不足している状態だといわれています。暑い時期は水分が失われやすいので、渇きを感じる前に早めの補給が大切です。朝起きたとき、食事のとき、入浴の前後、寝る前などに、コップ1杯ほどの水をこまめに補うようにしましょう。
ここで知っておきたいのが、“体内の水分”には電解質が含まれているということ。電解質とは、ナトリウムやカリウム、カルシウムといった“水に溶けてイオンとなる成分”のことです。この電解質のバランスが適切に保たれることで、体が正常に機能します。
夏はよく汗をかきますが、そのときは汗とともに電解質も体外に出てしまいます。そのため、水やお茶だけで水分を補給しようとすると、体内の水分中の電解質の濃度を薄めてしまい、かえって脱水状態を助長させることもあります。体の異変を感じたら、水分と電解質をバランスよく含む経口補水液の利用をおすすめします。
夏を元気に乗り切るためにも、適切な水分補給が大切です。
個人差はありますが、私たちのカラダのおよそ 60%(体重比)を水分が占めています。この水分の割合は、高齢になるにしたがって50%ほどに減っていくといわれていて、その理由のひとつとして挙げられるのが、筋肉量の低下です。筋肉は、脂肪などの組織と比べて保持している水分が多いので、年齢とともに筋肉量が低下すると、体内の水分の量も少しずつ減っていくのです。
また、高齢者の中には、暑い室内でもエアコンをかけずに我慢したり、トイレが近くなるという理由で水分補給を控える方もいらっしゃいます。すると、体内の水分が不足したり、発汗による体温の調節がうまくできなくなり、知らず知らずのうちに脱水状態になってしまうことも。こうした要因により、高齢者が熱中症になるリスクが高まるのです。
屋外だけでなく、室内でも熱中症のリスクが。十分に気をつけましょう。