「顔がほてったり、汗をかきやすくなった」
「イライラすることが多くなった」
「やる気がなくなったり、疲れを感じることが増えた」
中~高年期に差しかかると、このような病気とも言い難い不調や心身の変化に気づくことがあります。また、人によっては、手足の冷え、頭痛や体の節々の痛み、めまい、動悸、不眠などに悩まされることも。実は、こうした心や体の変調は、性ホルモンの減少が引き起こす更年期特有の症状のひとつとして現れるケースが少なくないのです。
性ホルモンは、大きく男性ホルモンと女性ホルモンに分けられます。男性ホルモン(テストステロン)には、男性らしい体をつくったり、活力や性欲を維持する働きなどがあります。一方、女性ホルモン(エストロゲン)には、月経など女性特有の機能をコントロールするほか、動脈硬化を抑えたり、骨を丈夫にするといった働きがあります。また、男性の体内でも女性ホルモンが、女性の体内でも男性ホルモンが分泌され、さまざまな機能に関係しています。
男性の場合、テストステロンの分泌量は20~30代でピークを迎え、以後は少しずつ減少していく傾向が見られます。女性の場合は、エストロゲンが閉経前後に急減し、この時期に更年期の症状が現れることが多いようです。ただし、男女とも、この分泌量の変化や心身への影響には個人差が大きく、現れる症状や程度にも大きな違いがあることがわかっています。
更年期の不調は、体だけでなく、心にも現れます。
今回は、更年期を前向きに過ごすための日常の心がけをご紹介します。
ホルモンのバランスが崩れると、体の調子を整える自律神経の働きが不安定になることがあります。また、憂うつな気分になりやすくなるのも、自律神経の働きの低下が影響しているといわれています。さまざまな症状を和らげるには、自律神経の働きを整えることが大切です。
生活リズムを整え、しっかりと休んでストレスや疲労をためないことも大切です。
バランスの良い食事を基本とし、体の組織をつくるアミノ酸(たんぱく質)や性ホルモンの働きをサポートするビタミン・ミネラル類が不足しないように心がけましょう。
症状も程度もさまざまで、ご自身やパートナーの方でも気づきにくいこともある、更年期特有の不調。気になる場合は、医師の診断を受けることも検討してみましょう。