#プロのひと工夫

晩酌時間をアップデート。りな助流簡単おつまみの極意

2023.4.5
いつもお決まりのおつまみで済ませがちですが、もっと晩酌の時間を充実させたいという方も多いのではないでしょうか。今回のテーマは「簡単おつまみの極意」。ご登場いただくのは、料理家であり、フードプロデューサーも務めるりな助さんこと河瀬璃菜さんです。

お酒を飲むことがとにかく大好きで、お酒に合うおつまみを作ることも得意だというりな助さん。簡単でおいしいおつまみづくりのコツは?と聞くと、「季節と香り、+αのひと手間ですね」という答えが。今回は、おつまみづくりのとっておきのアイデアと3つのレシピを教えていただきました。

インタビューした人
料理家・フードプロデューサー
河瀬 璃菜さん

料理家としてだけでなく、レシピ・商品開発、食の企画やコンサルなど幅広く活躍。料理が苦手な人でも作ってみたくなるレシピを得意とし、著書に『神レンチン』、『ジャーではじめる DETOX WATER』(監修)など。

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簡単おいしいおつまみのコツは「季節・香り・+αのひと手間」

春にはたけのこや春キャベツなど、旬をむかえるお野菜”を意識して使っているという河瀬さん。季節の素材を取り入れることが、料理やおつまみを特別感のあるものにする近道なのだそう。
マンネリしがちなおつまみメニュー。そこに季節の食材を取り入れることで、眼福・口福な一品を作ることができるだけでなく、値段が抑えられるのも魅力のひとつ。春野菜を使ったおつまみメニューを作ってもらいながら、その他のポイントを紹介してもらいます。

うま味・香り・食感の工夫でおいしさを格上げ

おつまみと聞くと、味の濃い食べものを想像しがち。こってりした揚げものだったり塩気の強い料理だったり、カロリーや塩分が気になるところです。しかし、りな助さんが提案するのは“うま味・香り・食感”を工夫することだそうです。
「たとえば香りでいうと、にんにくの香りを移したオリーブオイルでお野菜を炒めるだけでも、おいしいおつまみに仕上がります。その他にも、スパイスを足したり、ハーブや粉ざんしょうなどを散らしたりするのもよさそうです。ピリッとした刺激と鼻を抜ける香りが、食欲を増幅しつつ、お酒を進めてくれますよ(笑)」

味ではなく、香りを強めて料理に “奥行き” や “立体感” を生むアイデア。ぜひ真似してみてください!

手間をかけても、かけすぎない

「紫玉ねぎのような辛みがあるお野菜を生で食べるときは、薄切りにして塩もみしてあげると、辛みが抜けるだけでなく水分が外に出て、ドレッシングなどをかけたときの味ののりが格段に違ってくるんです」
このひと手間がおつまみをおいしくしてくれるわけですが、うまく手を抜くことも肝心だと話すりな助さん。
「さばを酢でしめて自家製のしめさばを作るのも楽しいですが、今回は市販のしめさばを合わせます。というのも、日々のおつまみ作りで忘れてはいけないのが、“手間をかけすぎない”こと。ていねいに作ることと同じくらい、適度に手を抜くことも大切かもしれません。真逆のことをいうようですが、これもひとつのコツなんです」

できあがったら、おいしいうちに

今回、りな助さんに作っていただいたおつまみは、こちら!

春キャベツのブルーチーズソース

春キャベツを4等分にカットしたら、バターを溶かしたフライパンへ。強めの中火で焼き目をつけたら、弱火にし、フタをして火が通るまでじっくりと加熱をします。

キャベツのうま味が染み出したフライパンに生クリーム、ブルーチーズを溶かしてソースを作り、キャベツの上からかければ完成!ブラックペッパーをふりかけても良いですよ。

「こちらは濃厚な味が楽しめるおつまみです。春キャベツの甘みとブルーチーズの塩気がすごくマッチしていておいしいですよ。きっと、ハイボールやビールなどガツンとくるお酒が合うでしょうね!」

たけのこのさんしょうペペロンチーノ風

ゆでたたけのこを、ガーリックオイルで炒める。そこに実ざんしょうのしょうゆ漬けをあえて、完成!仕上げにさんしょうの葉を散らすことで、彩りも香りも豊かに。

「たけのこの山椒ペペロンチーノ風。さんしょうでピリッとした辛みをつけたおつまみです。これには焼酎のソーダ割、日本酒なんかもよさそう。米焼酎のソーダ割など個性のあるお酒や、ジンなんかもよいと思います!」

しめさばと紫玉ねぎのサラダ

紫玉ねぎを薄く切り、塩もみ。そこに市販のしめさばを食べやすい大きさにカットしたものをあえる。工程はたったのこれだけ。

あとは上からレモン汁(1/2個分)とオリーブオイルまわしかけたり、大葉やカットしたレモンを散らして彩り&香りを加えたりしても。

「レモンをきかせてさっぱりとした味わいに仕上げています。紫玉ねぎの紫、しめさばの深いブルー、大葉のグリーンにレモンのイエローという具合に、楽しい配色も意識しました。このサラダには、レモンサワーやすっきりとした白ワインが合いそうです!」

編集部でも作ってみた

今回ご紹介いただいたおつまみのひとつ、「春キャベツのブルーチーズソース」を編集部でも作ってみました。

あまり使い慣れないブルーチーズ、おそるおそる調理しましたが、火を通すことでクセが抜け、生クリームのまろやかさと合わさってこれはおいしい!

「キャベツは1/4個も多いかな?」と思いながらも、ビールと一緒にぺろりと平らげてしまいました。冷蔵庫の余りもの対策にもよさそうです。

いつもおきまりのおつまみで済ませがちですが、旬の食材やうま味・香り・食感が楽しめる食材を取り入れ、ほんのひと手間かけるだけで、晩酌の時間がぐんと充実しそうです。おうち時間をアップデートしてくれる、りな助さんのおつまみ作りのアイデア、ぜひ試してみてくださいね。

<記事転載元>
「AJINOMOTO PARK」PARK MAGAZINE
おだいどころ虎の巻#6りな助流かんたんおつまみの極意