#プロのひと工夫

土曜夜はおうちフレンチ。気負いすぎずに心を満たすシェフの秘訣

2023.2.28

ゆっくり過ごせる土曜の夜は、家族や友人とちょっと特別な食卓を囲みたい。そんなときに、おうちで挑戦できるコース仕立て風のフレンチはいかがですか？東京の人気ビストロ「ウグイス」「オルガン」のシェフ・紺野真さんに、おなかはもちろん、心も満たす時間にする秘訣を教わりました。

1. ポイントは、“気負わない＆揃えすぎない”
2. 心が弾む、彩りの美しい前菜でスタート
3. “スープの素”をワンランクアップさせて贅沢感を
4. 温かな煮込み料理で、いつまでも続く心地よい余韻
5. おうちフレンチの気分を高める「うつわ」と「音楽」の選び方
6. おうちフレンチから生まれる、豊かなひととき

ポイントは、”気負わない＆揃えすぎない”

日常よりも少し特別な料理を、家族や友人と一緒に味わい、楽しむ。そして、心地よい充実感に満たされる。これこそが、おうちフレンチの醍醐味です。その秘訣として、紺野さんは「気負いすぎないことが大事」と言います。

「今回の料理も、ひと皿はスープの素を活用して手間を減らしています。テーブルセッティングもあえてきれいに揃えすぎないで大丈夫。例えば、お皿は色合いやトーンが合っていれば形がふぞろいでもいいと思います。そこから隙や抜け感が出て、リラックスして心から楽しめる雰囲気が生まれますよ」

心が弾む、彩りの美しい前菜でスタート

前菜に、と紺野さんが教えてくれたのが「帆立とかぶのカルパッチョ黄色パプリカのソース」。繊細な味わいの帆立とかぶに、パプリカソースのうま味、きんかんの酸味がさわやかに寄り添うメニューです。

「白地に青い絵柄が入ったお皿に黄色い食材の料理を盛り付けると、料理がよく映えて見た目も楽しめますよ」と紺野さん。

ワインは、フレッシュですっきりとした辛口の白を合わせて。ゆっくり楽しむ夜のスタートにふさわしい、軽めのひと皿です。

「帆立とかぶのカルパッチョ黄色パプリカのソース」のレシピ概要

黄色いパプリカにエキストラバージンオリーブオイルを塗り、アルミホイルで包む。190℃のオーブンで25分ほど焼く。

ボウルの上にザルをのせ、粗熱が取れたパプリカを入れる（アルミホイルの中に残った、パプリカから出た水分はボウルに入れる）。ザルの中でパプリカのヘタと種を取り除く。

パプリカとボウルに溜まった水分をすべてミキサーにかけ、塩、レモン汁で味を整えて、冷蔵庫で冷やしておく。帆立貝柱は厚みを半分に切り、塩、レモン汁、エキストラバージンオリーブオイルをかけておく。

※ここまでは事前に準備をしておくことができます

ごく薄くスライスしたかぶに塩とエキストラバージンオリーブオイルで味つけをし、皿に並べる。冷やしておいたパプリカのソースをまわしかけ、帆立貝柱、ごく薄くスライスしたきんかんをのせ、ディルを飾る。

“スープの素”をワンランクアップさせて贅沢感を

ふた皿目は、「きのことポーチドエッグと4種のチーズ」。「クノール®」ブランパンポタージュ 4種のチーズを使って、芳醇なチーズの味わいに、香ばしいきのこ、まろやかな卵が見事にマッチした満足度の高いひと品です。

「スープは、目の前でサーブして注ぐと特別感が増しますよ。今回のうつわの色は大地や自然を感じさせるアースカラーでまとめました」と紺野さん。

ワインは軽めの赤か、オレンジワイン^※がよく合います。
※白ブドウを赤ワインと同じように、果皮とともに醸したワインのこと

「きのことポーチドエッグと4種のチーズ」のレシピ概要

ポーチドエッグ（もしくは半熟卵）をつくる。

お好みのきのこ（写真はひらたけ、本しめじ、マッシュルーム）を、バター、にんにく、塩・こしょうでソテーして、レモン汁をかける。

少し深みのある皿の片側にソテーしたきのこを盛り、ポーチドエッグを添える。「クノール®」ブランパンポタージュ 4種のチーズに150mL（規定量）のお湯を注いで、皿の空いているスペースに流し入れる。

今日はいつもより少しお洒落に。ポーチドエッグのつくり方

片手鍋もしくは小さめの鍋でお湯を沸騰させる。酢を入れて、箸でかき混ぜて渦をつくる。火を止めて、2〜3秒待ち、渦が鍋の中央に来たら卵を割り入れる。白身が固まってきたら穴じゃくしなどでそっと引き上げる。

温かな煮込み料理で、いつまでも続く心地よい余韻

メインは、「プーレ・オ・ビネーグル（鶏のビネガー煮）バターライス添え」。ホロホロに柔らかく煮こまれた鶏肉を口に入れると、濃厚ながらもあっさりとした奥行きのあるうま味が広がります。

紺野さん曰く、「プーレ・オ・ビネーグルは、フランスのクラッシックな郷土料理。事前につくっておいて、食べるときには鍋ごとテーブルに運んで、お皿に取り分けるスタイルでも楽しめますよ」とのこと。

ワインは、キュッと引き締まったミディアムボディの赤が相性よし。ボリュームはありますが、軽い食後感なのでついついワインとおしゃべりが止まらなくなってしまいそう。

「プーレ・オ・ビネーグル（鶏のビネガー煮）バターライス添え」のレシピ概要

塩を振り下味を付けた鶏骨つきもも肉を、関節のところで半分に切る。鍋にオリーブオイルを加えて熱し、鶏肉の皮目を下にして入れ、中強火で焼く。両面がカリッと香ばしく焼けたら、バットに取り出す。
鍋に溜まった余分な脂をキッチンペーパーで軽く吸い取り、スライスした玉ねぎ、にんにくを入れ、弱火で炒める。玉ねぎがしんなりとしたら、鶏肉を鍋に戻し入れ、赤ワインビネガーを入れる。

水分が飛んだら、ミニトマト、ブイヨン、タイム、ローリエを入れて、コショウをふりかける。蓋をして弱火で20分ほど煮込む。一度スープの味見をして、塩コショウ、赤ワインビネガーで味を整える。さらにもう20分弱火にて煮込む。

添えるバターライスは、洗った米、水にバター少量とローリエ、塩少々を一緒に入れて炊く。

※ここまでは事前に準備をしておくことができます

皿に盛りつけたら、お好みでパセリのみじん切りを散らす。